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第二東電は可能か?-‘脱原発’都政への提言③ [私の提言]

東京都が株主主権を行使して東京電力を支配することは、現行制度下では難しいことがわかった。

そこで次に考えうるのは、東京都が独自に電力供給-調達の仕組みをつくること、すなわち‘第二東電’の可能性である。

震災後、電力の大消費地である東京都は、東京電力に電力供給を依存している現実の危うさを知った。

電力供給は国の専管事項ということで、矛盾した現実を受け入れてきた。

しかし、それは電力消費者として主体性がなく、無責任な態度である。

そのことを私たちは理解した。

震災が起きた2011年、大都市・東京の経済生活に責任を負う東京都首長、副首長も<当事者>として問題意識を持ち、具体的な提案をしている。

「天然ガス発電所リプレースPT」スタート!

首都圏はファンド創設で‘第二東電’をつくる。九都県市首脳会議で新提案。

あらゆる産業活動や国民の経済生活の根幹をなす‘電力’。
この‘電力’という全国民的な共通利害にかかわるインフラストラクチャー、国家戦略レベルの問題に、東京都が主体的に取り組み始めたことは、大いに注目すべきである。

一、東京都が主導して、東京湾に100万kWの天然ガス発電所を作るプロジェクトを立ち上げる。

二、東京電力の実情として、老朽化した火力発電所の再稼動により、原発の停止で供給がなくなった電力分を1500万kW程度(うち九都県市が1000万kW)カバーしているという現状を踏まえ、東京電力管内の老朽火力発電所を新規のものへリプレースする。そのための資金調達の方法として、(事故の損害賠償に追われ、設備更新の資金余力のない東京電力にかわり)東京都主導で官民連携ファンドを創設し、外資を含む民間資金を呼び込む受け皿を作る。

震災直後、石原東京都知事(当時)は「東京は日本のダイナモだ!」と咆えた。
猪瀬副知事(当時)はリーダーシップを発揮して、実務レベルで‘第二東電’創設に動き出した。

日本復興会議としても今後の成果を、‘刮目して待つ’である。


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ところが・・・である。

2014年12月現在、すでに新聞社系の記事は(時間切れ)削除となり、リンク先がないのだが、猪瀬知事(当時)は2013年9月、都議会での質問に答える形で、副知事時代に立ち上げた100万kWの天然ガス発電所の建設プロジェクトの中止を表明したのだ。

理由は、首都圏では2012年、2013年と懸念された夏の電力不足には陥っておらず、電力事情が震災直後とは大きく異なっていることを挙げた。その一方で、老朽化火力発電所には故障による運転停止のリスクがつきまとっていることを踏まえ、火力発電所のリプレース促進に全力を注ぐ旨の説明があった。

すっかりトーンダウンしてしまった。

しかもこの点に関して、自身のブログでの説明もなければ、どういうわけか報道記事も地味だった。
2014年12月現在、ウェブ上にはプロジェクト中止で立ち上がった2チャンネルの板あたりしか、当時の状況をたどれる情報がなくなってしまった。

私はここに不自然さを感じている。


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突然中止になってしまった東京湾100万kW天然ガス発電所プロジェクト。

‘脱原発’都政を力強く進めるためには、こういったシンボリックでスケールの大きなプロジェクトを進めることが、わが日本国民の意識変革のためにも重要ではないかと思っている。

いつの日にか、お蔵入りの<第二東電>プロジェクトが復活することを熱望する。






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