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政治家のKPI [私の提言]

われわれ国民は、選挙で送り出した政治家が国会できちんと仕事をしているかどうかをウォッチして、これを次の選挙の投票に反映させたいし、反映させるべきと思う。投票行動を通じて、がんばっている政治家を評価し、ダメな政治家にはダメ出しをする。当たり前のことである。

しかしながらわれわれも日々の生活が忙しく、国会中継をくまなく見ていられるわけでもなく(そもそもすべての政治家が国会の質疑に登場するわけでもないし)、生活の合間の時間でネットやテレビの報道ニュースをたまたまチェックできたか、できなかったかという状況で、政治家の評価をするしかないのが現実である。

一方、メディア側にとって(大手の新聞社やテレビ局からブログやSNSなどの一般人の発信も含む)、メディアの価値は見てもらえるかどうか、読んでもらえるかどうかにかかってくる。そうすると発信する内容が見る側、聞く側にとっておもしろいかどうかという観点から、情報が取捨選択され、編集・加工されることが多くなる。政治報道も然りである。

これはすなわち私たちの投票行動自体、広義のメディアの影響を受けて歪んだものになりうることを意味する。たとえば今回の選挙で言えば、小池旋風であり、排除宣言後の手のひら返し報道である。

こんな【風】で国会議員を評価するのが選挙なのか?


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そもそもの話、政治家(≒国会議員)はわれわれ国民の代表として選挙で選ばれ、われわれ国民を代表して《立法府》である国会に行くのである。

彼の最も重要な任務は《立法府》で国民のために法律を作ることである。われわれ国民の意志は政治家(≒国会議員)を通じて提出された法案が国会で可決され、《法律》として定立されることで、現実の法治国家で効力を持つのである。

彼の二番目に重要な任務は《立法府》の人間として、《行政府》である内閣が法律に則ってまともに行政活動をしているかを監視することである。たとえば、法律の無視あるいはご都合主義的な解釈によって学校法人の認可がなされた疑いがあれば、この問題について集中審議を求め、質問主意書を通じて内閣に質し、納得のいく回答が得られない場合は、証人喚問を求め、それでも納得ができないとなれば、最終的には内閣不信任案を提出するのである。

このように議会民主制の政治過程を理解できると、選挙がいかに大事なことか、さらに選挙で国民に対して掲げる《公約》《マニュフェスト》がいかに重たい約束であるのかも理解できるようになる。

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閑話休題

ビジネスの現場では、KPI(Key Performance Indicator)という指標が導入されることがある。この指標は、手がける事業が目的の達成に向かって適切に進行しているかどうかを測るための客観的なものさしになる。

新規に立ち上げた事業部門では、新規の問合せ件数であったり、リピート注文率であったり、返品率だったりする。工場では不良品の発生数や発生率であったり、人事部門では離職者数や離職率であったりする。

私は結果責任が問われる政治の世界においても、《政治家》および政治家の組織である《政党》のパフォーマンスを評価する手段として、すべからくKPIを導入すべきだと思う。そしてこのKPIは、選挙公約の実現度合いの評価指数を中心に据えるべきだと思う。

掲げる公約によって、実現可能性や達成の難易度はまちまちかと思う。
そこをいかに客観的な指標に変換できるか、、、研究の余地がある。

質問主意書や議員立法の提出本数、法案可決率、公約実現の難易度評価など複数の評価指標を統合してスコアリングするようなものになるだろうか?

信頼できる「政治家のKPI指標」が出来上がり、この指標が国民の間に周知されるようになれば、政治家が選挙公約の実現に真剣にコミットするようになりうる。国民と政治家との間にいい意味での緊張感が生まれると思う。


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風を読む~2017年衆議院総選挙をめぐって [から騒ぎ]

森友問題・加計問題を追求しようと野党が求めた臨時国会が9月28日、ようやく開会になるかと思いきや、なんと安倍首相はのっけから衆議院解散を決めてしまった。(実質は25日の開会前報道発表なので、からっぽの国会なのだ)

安倍首相は野党第一党・民進党がごたごたして党勢が一向に上向かないことや、小池東京都知事の国政政党立ち上げの進捗等の情勢判断から、「やるなら今だ」と解散を決めたのだろう。

この動きに対し、すばやい反応を見せたのが小池都知事であった。

9月27日には国政政党「希望の党」を立ち上げ、自らが代表に就任した。側近の若狭議員に加え、民進党離党議員らを迎え入れ、小池都知事と国会議員13名での船出。結党会見では「日本をリセットするために党を立ち上げる」と表明した。

さらに小池都知事は民進党の前原代表との会談で、民進党の解党→希望の党への合流を決断させる。前原代表は28日の民進党両院議員総会で「名を捨てて実を取ることで理解いただきたい」と希望の党への合流を党の同志たちに提案した。

一方で30日には、小池東京都知事(兼希望の党代表)は松井大阪府知事(兼日本維新の会代表)、大村愛知県知事とで共同会見。よくわからないが「メガロポリスが協力して日本を盛り上げましょう」という「三都物語」構想(?)を発表した。もちろん同時にぬかりなく国政政党・希望の党と日本維新の会は選挙区棲み分けで協力しましょうという合意をとりつけることも忘れなかった。

このあたりの一連の動きを見ていると、政局に対する感度、リーダーシップ、スピード感など、小池都知事の政治家としてのず抜けた力量を感じる。「すわ政権選択選挙!」とわれわれ日本国住民の期待感を一気に高めていく。一言で言えば【風】の巻き起こし方が抜群に上手いのだ。

もちろんこの風は、国会議員たちにも吹きかかる。

「今、この風に乗っておくかな」という打算が働く。

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小池都知事は民進党議員の希望の党合流にあたり、選挙への公認権を握ると「安全保障、憲法観といった根幹で一致していることが政党の構成員として必要最低限だ」とし、排除の論理を振りかざして民進党議員をふるいにかけた。このあたり自らは常にオフェンスサイドにいて、仕掛け続けているのは見事なものだと思う。

しかし、ここで排除される側が反撃(?)に出た。
排除が予想された枝野議員が10月2日、「国民の生活の安心、立憲主義、民主主義、自由な社会をしっかりと守っていくために」立憲民主党の立ち上げを表明した。これで民進党リベラル、左派議員の受け皿ができた。また理念で一致できる部分があるから、共産党、社民党との選挙協力も一挙に進んだ。

われわれ日本国住民の中には、拙速な改憲論議に対しては、健全な「不安感」「不信感」を抱く人も多いかと思う。(これはリクツとは別の問題で、人の命に真面目に向き合ったときに自然と湧き出る感覚に根ざしている)

だから私はこの第三極の動きは、小池旋風で護憲勢力が後手後手に回った中での動きであり、急ごしらえであるのは否めないが、かえって好感される面もあり、一定の得票数を得るものと予想している。

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小池都知事は自らが巻き起こした旋風に、ちょっとうかれ過ぎたか?
さすがに「排除とは調子に乗りすぎだ、傲慢だ」と感じる人が多かったのか?

10月10日選挙公示後はじめての選挙情勢調査では、「自民党単独過半数の勢い」「希望の党は小選挙区に擁立した198名のうち優勢はわずか7名、比例は30議席程度」(読売新聞)というかなり衝撃的な調査結果が明らかになった。

希望の党は台風の目かと思ったが、気がつけばただの低気圧になってしまった。

振り返れば2016年の小池議員の東京都知事立候補に始まり、都民ファーストの会立ち上げ、東京都議会選挙での会派圧勝etc.・・・自らの打つ手、打つ手がおもしろいように当たり、一気に政権の座が掴めるところまで来た。そこに過信・勘違いが生まれた。(人間だもの)

「排除とは傲慢な!何様だ!」
自らが起こした旋風は副次的にいろいろな乱気流を生み出した。

小池旋風を持ち上げていたメディアは「緑のたぬきの化けの皮が剥がれた」とか「策士、策に溺れる」とか手のひらを返して、言いたい放題。(そういう私も言いたい放題)

ともあれ、10月22日の総選挙で国民の審判は下る。

台風一過、雲ひとつない青空の下、まがい物は濁流に流され、本物がきらきら輝く宝物を持って漂着している、、、

そんな風景を私は夢想する。









タグ:政権選択
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