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「我欲」としての政治 [政局論]

いやぁ、茶番だった。

菅内閣の不信任決議案をめぐる民主党内部のドタバタ劇である。

自民党・公明党・たちあがれ日本の野党3党が合同で提出した内閣不信任案の採決が2日の衆議院本会議で行われ、賛成152票、反対293票の大差で不信任決議案は否決された。

与党民主党内で不信任案への同調の動きは直前まであった。しかし菅総理との会談で辞任の言質を取ったつもりの鳩山由紀夫前総理が、本会議前の民主党代議士会で、民主党議員が一致した行動をするよう呼びかけることで、不信任案同調の動きを収束させた。

ただ民主党では「あいのり」でおなじみの横粂勝仁議員と小沢一派の若頭・松木謙公議員の2名が賛成票を投じて除籍処分となった。不信任案賛成を表明していた小沢一郎議員はじめ民主党議員15名が採択を欠席・棄権した。「僕にも覚悟がある」と不信任案同調を示唆していた原口一博議員は不信任案反対票を投じた。

不信任案否決後、辞任の時期をめぐって菅総理と鳩山議員との間で認識の食い違いがあることが明らかとなった。岡田幹事長は代議士会後から菅総理の退陣表明に関連して「鳩山由紀夫前首相の述べた平成23年度第2次補正予算案と復興基本法案の成立は辞任の条件ではない」とけん制し、すでにバラバラな民主党の実態が透けて見えてきた。

菅総理は辞任の時期について、「言葉通り一定のめどだ。復興に向けて体制作りが必要で原発事故も収束途中だ。安定的な努力が必要だ」と述べ、当面辞任しないことを表明する一方「放射性物質の放出がほぼなくなり、冷温停止になるのが原発事故の一定のめどだ」とも述べた。

菅総理の発言行動に対し、毎度の「人のよさ」「つめの甘さ」が特長に見える鳩山議員は、怒りを爆発させた。


国民の負託を受けて国会に送り出されている国会議員が国民の意志と乖離した永田町の論理でもって、「我欲」丸出しに行動する様は、たいへん醜い・見苦しい。まして震災対応、原発対応いずれにしても現在進行中の全国民的共通利害に関わる国家の課題が山積の状況である。こんな時は「我欲」を捨てて取り組むべきが真の政治家(≒statesman)ではないか?震災後私たちの内から芽生えた「新しい公共」の心はどこへ行ってしまったのか? いや、永田町の住民にはそんな心は生まれようもないのか?拙稿参照→ 「我欲」と「新しい公共」の弁証法

総理の椅子にしがみつくのも「我欲」、「私がつくった民主党を壊してはいけない」という思いも「我欲」、「今解散したら選挙に勝てない」という打算も「我欲」etc.・・・

今回の内閣不信任案否決ではどの国会議員も後味の悪さを感じる結果となったのではないか?なぜなら自分の行動が政治家としての確たる行動規範によるものではなく、永田町の住民としての特殊利害に規定された「我欲」の現れだからである。テレビでこのくだらなさ100%の政治劇につきあった私も気分が悪い。人間の醜悪な側面をまとめて見ることとなったし、そんなくだらないものを見ている自分も同類として嫌悪感を覚える。

かくなる上は、松木議員とやけ酒でも呑むか?大将たちはのんきにカラオケ屋に行ってしまったらしいからね。
























大丈夫か?菅内閣 ‐ 内閣官房参与が辞意表明 [政局論]

菅首相が福島原発災害に「政治主導」で取り組むために登用した小佐古内閣官房参与(東京大学大学院教授・放射線安全学)が官邸に辞表を提出した上、記者会見を行った。菅内閣は大丈夫なのかい?


小佐古教授からすると、放射能の許容基準値などは、平時より専門家の間で議論の積み上げがあって審議会なりで決まっているし、防災指針、防災ガイドラインなどが出来ているのだから、法の順序にしたがって運用することが基本だと思っている。ところが官邸や行政機関はそれらの知見を無視ないし、ご都合主義で捻じ曲げて、場当たりに対応している。政府内のオフィシャルな立場でいると専門家としての自分の責任を果たせないと思ったのだろう。

記者会見資料全文(NHK「かぶん」ブログ)

会見で指摘されている問題はどれも「国民の生命を守る」という全国民的共通利害に関わる重大な問題である。それら「国民の生命」に関わる重大な問題が非常にあぶなっかしいやり方で取り扱われているという批判なのだ。


大丈夫か?菅内閣。
薬害エイズを鋭く追及して男をあげた菅さんでしょ、
ここはしっかりとガバナンスを効かせてやってください、お願いします。



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