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「我欲」と「新しい公共」の弁証法 [覚醒]

石原都知事の「地震は天罰」発言が国民の反感を買っている。

「我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。それを一気に押し流す。津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。積年にたまった日本人の垢をね・・・。やっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ。」
石原知事「津波で我欲洗い落とせ」「天罰だ」 (産経ニュース2011年3月14日)


石原知事が最近よく口にする「我欲」。
日本人は金欲・物欲・性欲にまみれ、政治も経済も社会もみんな自らの欲望を第一として事が運んでいる、この日本の現実を捉え、日本人のアイデンティティーを「我欲」と表現したのでしょう。

我欲にまみれた日本人に天罰がくだったとは酷い言い草である。

しかし言わんとすることはわからなくもない。



翻って、大震災という日本の非常時に国家運営を担う民主党はどうか?

民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫は「新しい公共」という理念を掲げた。

「働くこと、生活の糧を得ることは容易なことではありません。しかし、同時に働くことによって人を支え、人の役に立つことは人間にとって大きな喜びとなります。
 私が目指したいのは、人と人が支え合い、役に立ち合う‘新しい公共’の概念です。‘新しい公共’とは、人を支えるという役割を‘官’と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です。」 (第173回国会における所信表明演説-首相官邸HP

鳩山政権下ではこの新しい価値観・理念を政治・経済・社会の現場に浸透させるべく、‘新しい公共’円卓会議なる有識者会議を数回開催している。その後菅政権となり、会議の開催はなくなったが、施政方針演説では引き続き「新しい公共」の推進が謳われている。

今回の震災では、自らの命を顧みず、不眠不休で事故対応にあたる福島原発の東京電力社員、自らが被災しながらも、まわりの被災者の診療を続ける医師、退避勧告地域の病院で動きのとれない入院患者の世話をする看護婦、今やらなくていつやるのだと喜んで招集に応じる予備自衛官、その他本当にたくさんの日本人が人のためにと働いている姿を報道で知った。

また、地域、職場、通勤電車、通りがかりの人たち同士でも共に助け合うという気持ちが一気にあふれ出しているのがひしひしと感じられる。

図らずも日本人の心に「新しい公共」が目覚めたのだ。

「我欲」にまみれた私たち日本人にも、こんな美しい相互扶助の精神があったのだ。

今回の東北・関東大震災とそれに関連して発生した一連の事象は、そういう意味で天の啓示。

バブル後20年にわたる経済の停滞、国民からの信用を失った政党政治、精神の変質を表す劣悪・変態性事件の数々etc.

このどうしようもない日本国の閉塞状況を打破する、またとない機会がやってきている。




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