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今こそ必要な政治の力 [統治論]

私はテレビ報道やインターネットを通じて、今回自分が体験した地震はその被害の大きさがだれにも測りえず、なおかつ連続的に関連して災害を引き起こす、わが国を襲う大震災であることを知った。

対応次第でどれほどの人命が失われるのか?また救われるのか?
どれほどの財産が棄損されるのか?また救われるのか?

そういう意味では、わが日本国の国難。戦争に匹敵する国家の危機であって、国民の負託を受けて国家運営にあたっている人たちの的確かつ迅速な「政治的な」判断と意志決定が何よりも重要であると思った。

私たち個々の国民が自分や自分の家族を守るために自分の判断で動くことは、非常時には必須であり、また当たり前のことだけれども、同時に国家規模での危機対応としては、また違った判断を下して、国民に迅速に通知し、行動を規制してゆくことが絶対に必要だと思う。

なぜならば個々の国民は個々の国民としての最適な判断をして行動を起こすけれども、その結果引き起こされる事態は、時に深刻な国家規模での二次災害を引き起こす恐れがあるからである。
たとえば地震の直後、家族や仲間の安否を確認する個々の電話やメール、客先、上司筋への連絡電話やメールなど一斉に発生した通信トラフィックが長時間の不通状態を作り出した。国家運営の観点からは、このような通信網の麻痺は本来避けたいものである。

国家の危機に際しては「国民の生命と財産を守る」という国家規模の共通利害が最前面に押し出され、個人や企業体、地域コミュニティーの抱える個別・特殊な利害にかかわる問題は背後に隠れる。

大地震と大津波のあと、関連して大規模停電や断水、交通網や通信網の麻痺、原子力発電所の深刻なトラブルなど二次災害が連続して引き起こされた。国家運営者は最前面に出て、全国民的共通利害を踏まえた意志決定を次々にし続ける必要に迫られている。とにかく政治の力が必要な局面なのだ。

政治家は、平時には時として票田となる地元の特定企業や支持団体の個別・特殊な利益を誘導する「政治利権屋」(≒politician)として活動して、国民の政治不信を増長させている。しかし大震災は国家の非常時。政治家も個別・特殊な利害のために動くヒマはなく、全国民的共通利害を踏まえた本来の「政治家」(≒statesman)としての決断を下すことが否が応うにも求められる。

今現在起こっている災害への対応はどれをとっても緊急度が高く、的確な状況判断と迅速な意志決定が必要なものばかりである。政治家は優先順位をつけて、ダイナミックに動いてほしい。優先順位が低いと判断したものは、たとえ取り組みが遅いと国民から反発を招いてもいい。被災された方々の1秒でも早い救出、原子力発電所の危険状態を1秒でも早く収束させることを願っております。


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