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放射能パニック症候群? [から騒ぎ]

今回の福島第一原発事故を通じて、私たち人間は「放射能汚染」が私たち人間を含む「自然界」への脅威となることをあらためて認識させられることとなった。放射性物質は空気中を舞い、大地に舞い降り、生命体に取り込まれ、食物連鎖の中で人間にも取り込まれる。さらに取り込まれた放射性物質は甲状腺に蓄積され、発ガンにつながったり、白血球の減少を招いたり、遺伝子に作用して異常な細胞分裂を誘発したりする・・・

教育されればされるほど、知識を啓蒙されればされるほど、私たちは放射性物質の物性に恐ろしいイメージを持つようになる。そして大気中に放射性物質が飛散したとの報道があればマンションの部屋の換気弁を閉める、水道水に放射能が検出されたとの報道があればミネラルウォーターの買出しに向かう、外国政府が在日外国人に日本からの避難勧告を出したとの報道があれば、わが日本人も「日本政府の発表は信頼できない」となって、慌てて西に向かうetc.他の動物と違って想像力がたくましい人間は、恐ろしい放射能のイメージを膨らませ、膨らんだイメージに囚われの身となる。未来のあり方を想像し、予期恐怖から現在の行動が異常なものとなる。

わが川崎市の阿部市長が大震災で被災した福島県を訪問し、がれきなどの災害廃棄物処理の協力を申し出たことに対し、2000件を超える苦情が市に寄せられていると言う。

川崎市のごみ処理を担当する処理計画課などには「放射能に汚染されたものを持ってくるな」「子供が心配」といった苦情の電話やメールが殺到。中には阿部市長が福島市出身であることを挙げ、「売名行為だ。福島に銅像を建てたいだけだろう」というものもあったという。川崎市は「放射能を帯びた廃棄物は移動が禁止されているため、市で処理することはない」と説明。市のホームページでも安全性や理解を呼びかけている。
「子供が心配」…福島ごみ処理支援で川崎市に苦情2000件超(産経ニュース 2011年4月14日)

阿部川崎市長の申し出は困った時はお互い様という人道的な支援の気持ちに発しているのだろう。しかし、川崎市住民の受け止め方は神経症的な様相を帯びている。地域のエゴなのか?石原都知事が言うところの日本人の「我欲」の現れなのだろうか?

今回の福島第一原発の問題を考える時に忘れてはならないことがある。
福島第一原発は首都圏への電力供給を目的として、日本国の要請に基づいて福島県に立地させられているということだ。福島には経済的な補償との取引において立地しているとは言え、電力供給の第一の受益者は首都圏住民や首都圏立地の企業体であることは言を俟たない。福島住民にとってはとんだとばっちりなのだ。福島はいまや世界の「FUKUSHIMA」として「放射能汚染」地域として物理的にも風評的にも計り知れない被害を被ったのだ。こんな不条理があるだろうか?

「原子力は必要だ、でも私の町に原発はいらない」という考えは「我欲」だと思う。総論賛成、各論反対の議論は各人の「我欲」が堂々巡りをしているだけで、いくらしても意味がないのだ。

石原都知事は「東京が貧乏になったっていいじゃないか」と言っていた。
そんなことを言うんなら、自分だって一日都知事になってひと言、言ってみたくなったぞ。

「東京に原発があったっていいじゃないか!」



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